From Stockholm
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色彩心理の活用

 
4.白色とバランスの関係:

あるグループホームに入居している、中度の障害と診断されている、痴呆症高齢者の婦人を散歩に連れ出そうと、白い壁紙の貼ってある廊下を、婦人の横に並んで歩いていた時、途中で婦人の身体がわずかにゆれるように歩きました。一回のみでなく、玄関にたどり着くまでに数回あり、最初は疲れたのかと思い、質問すると疲れていないと返事。空気のきれいな外庭に出た時には、身体のゆれはなく、普通に歩きました。

散歩に疲れてはと、庭にあるベンチに婦人と腰掛けて、先程の身体のゆれを疲れかと思い、もう一度質問しましたが、同じく「疲れていない、元気だよ」との返事。

そこで、「先程廊下を歩いている時には、身体がゆれていたよ」と説明すると、その婦人は「疲れていたのではないが、歩いていてどこを見て歩いてよいのかわからず、左右上下をあちこちと見ていたら、なんとなく身体のバランスが取れなくなっただけだ」との事。

  そこでその事実を確認するために、日をおいて数回、同じ白い壁紙の廊下を婦人と並んで歩いて、婦人の歩く姿を観察しました。
確かに廊下を歩いている内に、身体のゆれが見られました。施設に協力を求めて、他の色の壁紙が貼ってある、廊下を婦人と歩くと、身体のゆれがほとんどなくなりました。
これは調査するだけの価値あると思い、壁紙を簡単に取り替えることができるようにして、婦人と廊下を歩き、時には他の痴呆症婦人とも歩いて、テストをくりかえし実施しました。
高齢者施設内の悪い廊下の一例:
白い壁紙に模様をつけたロールを貼り付けた
単純な廊下の壁と一色のみの床材。
   


ちなみに、このグループホームの同じ階に入居者している痴呆症高齢者は、12人の内10人が婦人で、全員中度の痴呆症と診断されていました。

結果は、次のようになりました。

  1. 廊下の壁が上から下まで、同一の白色の壁紙または、ペイントが塗ってある場合、婦人の歩いている目が不安定で、常に動いている事。
  2. 天井の色が白だと、なおさらこの傾向が強い事。
  3. 壁が白色で廊下の床材の色が明るい色の場合は、少し落ち着いた色の床材の廊下の場合に比較して、やはり身体のバランスが不安定である事。
  4. 廊下の照明が直接照明で、間接照明よりも明るい場合にも、この状態が発生する事。
  5. 光沢のある白色より、半光沢の白色の場合には、この症状が少ない事。
  6. このテストでは、男性を含めて、全入居者にテストを実施、その内男性1人と女性4人の痴呆症高齢者には、上記の4については、大きな変化はみられませんでした。
                               

 ( 2006年10月18日 再記載 )

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