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色彩心理の活用          

 
6.色彩の応用で食欲増進効果:

スウェーデンには、日本のような四季はありません。寒くて長い冬の後、2週間ほどで夏になります。太陽が昇るのが午前2時、日が沈むのが午後10時頃と、一日がとても長い夏が半年近く続きます。そして、秋が来て紅葉が始まったなと思う間もなく2週間ほどで冬に入るのです。冬は、太陽が昇るのが午前10時、日が沈むのが午後3時頃と、とても一日が短いです。

そのような寒くて暗い冬が半年続くため、やる気もなくなってしまいます。そのため、冬は多くの人がうつ状態になりやすい時期もあり、高齢者施設に住む人達も例外ではありません。そうした気持ちを明るくさせるには、色彩と照明が大きな役割を持ちます。

最近になって、日本でも認知症高齢者と色彩の関連について、興味を持つようになってきました。一部の人が既に、関連した書物を書いているようで、とても良い傾向だと思います。しかし、書物を拝見すると、著者の多くが普通の色彩専門家やカラーセラピストのようで、認知症を専門的に理解している人が書いているものはあまり見かけません。あくまで健常者の立場から、観察しているように思われます。

 
私は長い間「認知症と色彩の関係」について勉強してきました。特に、日常生活における、色彩や照明の認知症高齢者に与える精神および心理的影響について観察しきました。ほんの少し照明方法を変えたり、色を応用することで、施設に住む高齢者たちの気分が大きく変化することがわかっています。
 

認知症高齢者の中には、食事をしたばかりなのに満腹感がなく、他人が食事をしているのを見て自分はまだ食事をしていないと思い、食事を要求する人がいます。その反対にお腹がある程度減っているのにもかかわらず、食欲がなくて食事をしようとしない人もいます。

これらの問題解決の一つの方法として、ある認知症高齢者にテストして、効果をあげた実例を紹介します。


その一例として、食堂のテーブルに色付けをして変化をもたらす試みをしました。写真のように、テーブルの上に長いクロスをかけ、さらに食器の下に赤いランチョンマットを用意しました。これで食器の色が浮かび上がるようになり、視力の落ちている高齢者にもはっきりと食器が眼に入ります。


きれいな色のクロスを見つけた高齢者は、「ワァーきれいだね…。」と、テーブルに着いた時にその食器に興味を持ちます。いつもより少なめの料理をお願いして、食事をしていただきました。

色彩の誘惑に負けたのか、いつも食事を残している人も、当日はきれいに全部食べてくれました。色彩が本人の食欲をもたらしたのです。

 

「今日は全部たべちゃったね…。おいしかったですか。」と声をかけると、「うん、全部たべちゃったよ…。」と本人はとても満足そうでした。

いつもより少ない量ですが、大切なのは本人に食欲が出て、自ら食事を食べようとしてくれることです。これで食事面での介護の目的は、ほぼ果たしたことになります。


廊下も写真のように、間接照明をうまく利用して明るい廊下にすれば、高齢者も安心して歩くことができます。明る過ぎは目に眩しく、バランスをなくして転倒する原因にもなりますから、目にやさしい間接照明にすると効果的です。


  ( 2008年11月25日 記載 )
 

 

 

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     (2006年10月18日 再記載)


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