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高齢福祉社会はどこへ (2012年)

 


スウェーデンの認知症高齢者の実情                                  

 

家族の援助が必要:

 

スウェーデン国内で、現在約15万人が認知症障害者といわれています。その内の60-70%がアルツハイマー型認知症です。65歳以上のアルツハイマー型認知症高齢者は、約10万人いるといわれています。

 

65歳前の若年層認知症者は少ないですが、少しずつ増加しています。70-74歳の高齢者の4%がアルツハイマー型認知症で、90歳以上では、三人に一人がアルツハイマー型認知症です。外国移民者の高齢者も増加しており、言葉と生活習慣および宗教の違いがあり、今後の課題となっています。すでに認知症で施設に入居している外国人高齢者もいますが、施設不足から家族が介護している割合が多いです。

 

認知症高齢者は、高齢者の増加に伴い毎年増加していますが、認知症高齢者を受け入れられる高齢者施設の建設は進んでいません。また例えばストックホルム。コミューンの場合は、経費節約から、24時間体制の職員がいるサービスハウスを廃止し、「安心高齢者住宅」という名前に変更した高齢者住宅があります。これは施設の職員を無くしたことにより、人件費の大幅な節約となりました。

 

しかし多くの高齢者は、職員不在のこの施設のシステムに不安を覚え反対しています。地域によっては、入居者と家族の反対が強く、この安心高齢者住宅の計画を中止して、元のサービスハウスの施設にしたところもあります。

 

また政府およびコミユーンが発表している、高齢者介護および施設の満足度調査は、実際の高齢者満足度の結果ではなく、調査表回答に施設の職員や家族が、本人の確認もしないで回答したことが、このほど暴露され、政府及びコミューンが発表する高齢者満足度については、現在ではほとんど報告をすることがありません。

認知症高齢者を受け入れる施設の絶対数は不足であり、コミューンはその対策として、家族の援助が必要であると発表しつつ、一方では入居者不足から、高齢者施設を廃止するとして、学生寮などに改造している地域もあります。

現実には、高齢者施設への入居希望者は、ストックホルムのみで約
3000人いるといわれていますが、政治家たちは、経費節約から無視している状況です。

社会サービス法律では、全ての高齢者は本人の意志により、どこの地域でどの施設に入居したいかの選択権、誰に在宅介護を受けるのかの選択権があるとしていますが、絶対数が不足している現況では、これらの法律は無意味に近いものです。

 

認知症高齢者が毎日通っている、ディケアーセンターに通所希望者は、本人の意思選択によるとしながらも、結果的には施設の受け入れ定員数が制限されており、各地域ディケアーセンターに通う希望者は多く、これも施設同様に待機者登録をして待っている状況です。その入居判定はコミューンの福祉課が決定しています。この判定基準は、政治家たちの指示により、毎年厳しくなっています。

 

つまり、高齢で独身者の場合は、訪問介護を受け、家族がいる場合には家族負担となっています。

日本で想像されているほど、スウェーデンの高齢者福祉社会は、理想郷ではありません。

 

 

 ( 2012年2月20日 記載 )

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