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高齢福祉社会はどこへ (2007年)

                

施設から追い出される高齢者たち:

新ストックホルム県議会は、今年高齢者社会福祉の改善案として、2008年1月1日から、全ての高齢者は本人の希望する地域の高齢者施設に 、入居できる権利を保障すると発表した。これは、地域の要介護判定員の認可が承認されれば、本人が望むいずれの地域の高齢者施設にでも、入居できることを保障するという趣旨のものです。

目標としては、インターネットの活用により、部屋が空いている施設の確認を取り、その施設に入居希望を提出することにより、部屋の空きを見つけやすくすることが 目的です。しかし高齢者のほとんどがインターネットを利用していないことから、家族が援助するであろうことを期待し、家族を持たない独身者に対しては、グードマンが援助することを期待しています。

しかし現状は必ずしも、県議員が期待しているようなものではありません。ストックホルム・コミューンの社会党時代から進められている、サービスハウスなどの廃止は、新政府の公約とは反対に、まだ一部続けられており、施設を追い出される高齢者 は続いています。

判定基準が厳しくなり、以前は要介護として承認され、施設に入居していた高齢者が、新判定基準に相当しないことから、施設を追い出されているものです 。独りアパート生活に戻ることを意味しています。施設内で常勤職員がいた環境から、孤立した個人の家庭生活になるものです。必然的に社会から孤立することとなり、毎日数回訪問するホームヘルパーとの交流のみとなり、果たして精神的にも高齢者に適切な 、福祉や介護であるのかと疑わざるを得ません。

一例として、4月には脳内出血をし、初期のうつ病障害を持つ86歳になる高齢女性 Marianne は、自分で手押し車を利用して、短距離の移動ができることから、独りでアパート生活は不可能ではないと判定され、今まで住み慣れた施設を追い出されました。息子を含む 子供たちは、年老いて病気である母の生活を、今まで職員が介護してくれて、施設に安心をして委託していたのが、これからは母親一人になり、いつ病気が再発するかとても不安だと訴えています。
 

サービスハウスなどの高齢者施設廃止は、2000年から続けられて、現在では当時の17%減少となっています。同時に2000年以後高齢者は、16%の増加をしています。全て税金節約のために、職員の経費節約などが理由とされて、廃止されているものです。

高齢者の人道的生活保障は、うたい文句のみで実際には生活を脅かし、ホームヘルパーのみの訪問などによって、高齢者を社会から孤立させているものです。特に何らかの病気を体験したり、現在病気である、高齢者の日常の生活は 、安心が保障されているものではなく、システム変更により無視されていると言っても過言ではありません。


現在施設に入居許可を受けている高齢者は、とても幸せなくじに当たったと思ってもよいでしょう。これが、スウェーデンの高齢者社会福祉の現状です。日本からの多くの施設訪問者が視察する施設に入居しているのは、全国のほんのわずかな、恵まれた高齢者たちなのです。施設訪問する人たちには、こうした目に見えない部分は、全くと言って良いほど理解されていません。10数年前の、素晴らしい高齢者社会福祉は、ほんの一部の人たちのみが受けているものです。外部に見えない部分で、高齢者家族を抱えて苦労している、多くの人たちがいることも忘れないでください。

ちなみに、現在ストックホルム県内には、93の特別高齢者住宅があり、その内の77特別住宅がコミューンによって経営されています。合計11,000人の席があり、7,000人がコミューン経営の施設、2,000席が民営企業によるものです。

全国的では2006年に、約98,600人の高齢者が何らかの高齢者施設に入居しています。これは、2000年度に比較して、19,700人、17%の減少です。その内の約11,900人が80歳以上の高齢者です。同時期に約140,300人が 、何らかのホームヘルパーの援助、または介護を受けています。( 2006年10月1日付けの統計資料参照 )これは2000年度に比較して、約19,500人16%の増加を示しています。

最も多く増加しているのは、80歳以上の高齢者です。入居に関しては、順番待ちのシステムはなく、個別に判定員の承認がないと、入居することは出来ません。この判定員の判断基準は、どの政治家がどの党派に所属 するかによって異なり、民主主義的平等性がないと強く批判を受けています。

   (2007年6月20日 記載 SOS, SLK, DN  )


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