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高齢福祉社会はどこへ (2007年)

 

              
民営化によって、介護の質が低下??

今年6月に、スウエーデン・県・コミューン(地方自治体)協議会が、全国290コミューンの高齢者施設の介護および設備等のクオリティについて、4年間にわたる調査の結果を発表しました。

その結果によると、全国の約
10パーセントの施設のクオリティは非常に悪いと指摘され ています。多くのコミューンでは、民営化委託化により民営会社が業務委託を受けていますが、ほとんどの会社は介護のクオリティ向上の前に、効率化と利益追求を優先しており、その結果ではないかと思われます。
 

スウェーデン・コミューン・県協議会による、全国コミューンの高齢者福祉のクオリティ調査が発表されました。それによると、ストックホルム・コミューンは、全国で転倒骨折発生率(高齢者80歳以上の住民1000人に対して)では258番、特別高齢者住宅のクオリティ(調査対象は、1DK、WCおよびシャワー付)では174番、職員教育レベル(循看護士および介護職員対象)では285番目と非常に悪い評価が出ていました。中でも職員教育レベルでは、ストックホルム県内のヴアックスホルムが、最後の290番目と最低評価を受けました。


各地区の福祉担当の政治家たちは、予想外の結果だと意見を述べていますが、現場を知る私にはそれが現実ですよと叫びたい気持ちです。サラ法という法律で介護について重要な問題が発生した時は、職員は届出をすることが規定化されていますが、多くの高齢者やその家族および職員は、施設に対して抗議や要求をすると、いじわるをされたり、十分な介護が受けられないという不安から、施設を訴えることもほとんどありません。

ある施設では介護の不手際から高齢者が死亡したり、数件におよぶ介護問題が発生していたのにもかかわらず、その施設は表ざたにならないようにと職員に指導し、サラ法による社会庁への届出をしていませんでした。各種の問題が発生した時には、すべて記録をすることにもなっていますが、その施設では、ほとんど記録はされていませんでした。

その施設で高齢の母親が死亡した家族は、生存中介護に問題があることを見つけて、職員、施設長、コミューンの担当者に訴えましたが、誰も聞いてはくれませんでした。高齢者オンブズマンが始めて実情を知ったのは、死亡後
2年過ぎていました。

もちろん、中には高齢者のために、よりよい介護に努力している職員も多数いますが、特にストックホム県では経費節約等で、教育を受けていない給与の安い職員がとても多いことも、問題発生の原因ではないかと指摘しています。特に外国移民職員たちは、会社による短期即席介護教育を受けているのみの職員が多いです。知人の施設長は本社が要求してくる利益は
5-10%と高くて、会社は高齢者を商品扱いしていると抗議、とてもよい介護は出来ないと、先日施設を退職しました。

 

スウェーデンも高齢者は、毎年増加の一途です。外国移民者の高齢化も進み、カルチャーや言葉の問題などが多くあり、将来の高齢者介護は不安でいっぱいです。

それでも他のヨーロッパ諸国と比較すると、安心して高齢者となることが出来、各種の介護が受けられ、健康的に生きられる国であると、スウェーデン国内の80歳以上の高齢者が実態調査で答えています。


   ( 2007年11月6日 記載 SKL,SPL資料参照 )
 

参考資料:

ストックホルム県内の高齢者施設は、4年前(2003年)施設および介護のクオリティが著しく低下したために、県の福祉課は「高齢福祉環境監督委員」を採択し、県内の各種施設を、無差別に事前報告なしで訪問調査を実施しました。現在(2007年10月)までに、県内の約300施設を訪問しました。その結果約30施設が重要な問題があると指摘されました。

指摘内容の一部を記載:

  1. 介護職員が施設内のセクトを離れた時に、部屋の鍵を施錠した。そのために誰も入居者がトイレに行く援助をしなかったために、オモツの中に数回用を足し、オモツはずぶぬれであった。

  2. 夜中にそのセクトには、夜間介護勤務職員は誰もいなかった。

  3. 職員不足から昼食時間まで入居者は、ベッドから起こしてはもらえなかった。

  4. 現実に緊急を要して、アラームを鳴らしたにもかかわらず、職員が来たのは30分後であった。etc.

特に重要な問題として指摘された施設では、人生の終末期にある入居者で、数日後には死亡すると判断されていた入を、息を引き取るまで荷物室に配置していた。また他の小さな部屋には3人の入居者を同一室に入居させ、部屋は強い臭気がしていたと報告されています。

ちなみに現在県内には、65歳以上の高齢者は27万人。人口の14パーセントを示しています。
この内の11万2千人がストックホルム・コミューンに住み、80歳以上の高齢者が4万2千にいます。そして、10,200人の高齢者は、特別高齢者住宅に住んでいます。また、16,600人の高齢者が、在宅介護(ホームヘルパー)の援助を受けています。




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