From Stockholm
HOME 福祉紹介 ニュース 観光・旅行
 
ミニ情報 リンク集 掲示板
 

痴呆の介護の仕方(2004年)

 
痴呆症介護ガイドブック」

30-5 「痴呆症老人と領域について」

5-1. 「第五の領域について」 その1:

「第五の領域」
とは、「空間領域」ともいわれ、第四領域とは異なった身体の周囲、約30センチ以内の距離です。

身体には触られていないのにもかかわらず、たとえば他人の手が、ある一定の距離内に近づいて来た時、触られている様な感じを受けることがあります。この領域に嫌な人が入って来ると、不安や危険を感じたり、相手によっては嫌悪感を感じたりします。

痴呆性老人が、この領域に他人が入って来たことを感じた時は、身を固くしたり、逃げようとしたり、危険を防止するために暴力を振るうこともあります。こうした時には必ず、相手の了解を得てから介護をするようにして下さい。この「空間領域」は個人によって距離は若干異なりますが、それを知るには、次のことを試して下さい。

まず相手の身体に掌を広げた状態で、両手を前に出し50センチ位離れた所に立ちます。そしてゆっくりと相手に近づいて、約20センチ位の近くで止まり、そのまま一分ほど手を相手の前にとめたまま、保持して下さい。相手に何らの拒否反応がなければ、あなたは相手の信頼を得ることができた「親密な領域」といわれる、領域まで入ったことになります。そのまま両手を前にだしていますと、だんだんとわずかながら相手の身体の暖かい熱が感じられます。一般に言われている、身体の磁界(磁力が作用している範囲)です。

介護者はこの「親密な領域」に入り、お風呂に入れたり、衣服を脱がしたり、着せたり、おむつ交換したり、シャワーを浴びさせたり、朝夕のトイレの面倒をみたりします。老人が自分の領域に入ることを認めるか認めないかは、介護者と老人との信頼関係があるかないかで決まります。

いつも介護をしてくれる介護者でなく、新しい介護者に老人が自分の面倒をみさせない原因は、この「親密な領域」に問題があります。老人との信頼関係も作らずに、無理に入っていこうとすると、強い抵抗や暴力を受けることになり、時には老人は頑固として協力しなくなります。

「意地をはっている」とか「それなら自分で脱ぎなさい」などの命令的な言葉で、指示したりしないで下さい。しばらく待ってから、自分の名前を言って自己紹介したり、例えば老人の好きな盆栽の話しをしたりして、会話はゆっくりとしながら、老人の手をとり手の甲をやさしくさするようにマッサージをして、相手の気持ちを落ち着かせたり、信頼関係を作る事に努力して下さい。

介護者は常に老人の行動や態度などから、老人の警告を示す行為(信号)に、注意を怠らないようにすることです。そうすれば老人は少し前に何で抵抗したのかも忘れています。時には抵抗したことすら忘れることもあります。大切なのは忍耐と余裕と暖かいやさしさを込めた心で、老人を介護することです。


   「第五の領域について」について、次のページに続きます。

    (
2004年3月12日 記載)
                        

     INDEXにもどる         前のページ     次のページ