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痴呆の介護の仕方

 
痴呆症介護ガイドブック」

25. 『リッスン、ヘルプ、ステイ』 その2:

『ヘルプとは、痴呆性老人が心の中で、助けて欲しいと叫んでいるのです。老人に助けの手を差し伸べて下さい』

  • 椅子から立ち上がりたいのかもしれない。
  • 目の前にある、机の上の本を取って欲しいのかもしれない。
  • トイレに行きたいのかもしれない。

介護者は常に老人の目と、動作に注意を支払わなくてはいけません。言葉の不自由な老人ほど、目で話してきます。

そのためには、出来る限り同じ職員が、同じ老人を介護することが大切です。老人はその職員を「この人なら自分が、何時、何を欲しいのか知っている」と信頼するだけで、安心し、気持が落ち着き、イライラやあせりがなくなります。

ある本に「老人性痴呆のもの忘れ」の説明で「老化現象のもの忘れは、体験したことの一部分を忘れるが、老人性痴呆の場合は、体験のすべてを忘れる」と説明してありました。

老人性痴呆で、よほどの重度の症状になっても、体験のすべてを忘れることはありません。ただそれを言葉で表現できないのです。言葉が思い出せないのです。相当重度の痴呆症老人でも、話しをしてり、昔の懐かしい品物をみたりした時に、ちょっとしたことから、急に忘れていた言葉を思い出し、体験談を語ることがあります。時には老人が、何か口のなかでモゾモゾとひとり言を言いながら、同じ動作を何回も繰り返すことがあります。それらは子供の時に遊んだ時のことや、仕事でいつもしていた作業を、無意識にしていることもあります。

ある施設で、椅子のひじ当てや机の周り、時には本箱の板を叩いている、老人婦人を介護したことがあります。その婦人の過去の生活記録を確認したところ、元気なころはピアノを弾いていたおばあさんでした。施設で許可をもらい、おばあさんとホールに行きました。ピアノを見せたところ、とても嬉しそうな顔で私を見ます。早速ピアノの椅子に掛けさせたところ、痴呆老人とは思えないほど、上手に弾いてくれました。しかも楽譜なしです。

その婦人は言語障害が進み、自分の気持ちを言い表すことが出来ず、イライラすると叫んで困りましたが、施設の職員が手で叩いても、音で他の老人達に迷惑がかからない様に、布地にピアノの鍵盤の絵を描いて、婦人が落ち着きがなくなると、時々本人の机の前に出しました。婦人は音のしない絵の鍵盤をたたいて満足そうでした。私には音が聞こえませんが、婦人にはきっと素晴らしいメロディとなって、頭の中で響いているのではないかと思いました。

      (2004年1月23日 記載)
           

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