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痴呆の介護の仕方(2007年)

 

痴呆症介護ガイドブック」

タクティールセラピーの紹介
  

    
第 3 回

連載認知症高齢者とのタクティールセラピー その2.2:            認知症介護 Vol.7 No.3
         

マッサージの注意点
   

1)マッサージの準備
   

  1.  マッサージを受ける人の両腕に,ひじより下の部分から指先までオイルを塗りますので,半袖の衣類が適切です。長袖の場合は,ひじ上まで捲り上げてください。
     

  2.  マッサージを行う人は両方の手のひらにオイルを十分に塗り手が温かくなるまで擦り合わせます。相手の両手を自分の両手で包むようにして握ってください。

2)注意点

  1. あまり強く力を入れず,またくすぐるような柔らかい手の握り方はしないで,程よい力で,また相手に手を持たせていることを感じさせる感覚で,撫でるようにタッチングしてください。

  2. 知的障害やそのほかの障害を持つ人は,他人が自分の手に触れることに対して敏感に反応し,とても神経質になることがあります。本人が手のマッサージを好まない場合は,比較的鈍感な背中や足から始めるか,もしくは信頼関係を十分に築いてから手のマッサージをすることをお勧めします。

  3. 皮膚表面には,カビやそのほかの菌がたくさん付いていますから,マッサージを始める前に必ずマッサージを行う人と受ける人両者の手を洗ってください。皮膚にある角質層に十分な水分を補給するだけでも,皮膚の防御機能は高まります。普段からのスキンケアはとても大切となります。

  4. オイルによるマッサージは皮膚に刺激を与え,その刺激により手の温度も上がり,マッサージを受ける人は温かく感じ気持ちよくなります。そのため,マッサージをする際には,自分の手が温かいかを時々確認するようにしてください。

  5. 手のマッサージを行う時には,オイルが垂れやすいので,必ずバスタオルの上で行ってください。また,途中でオイルが乾燥したり,皮膚に吸収されやすいので,適宜オイルを追加しながら両手に満遍なく塗り,マッサージしてください。

マッサージの基本姿勢
     

  1. マッサージを受ける人にいすに座ってもらいます。寒い時には肩や背中が冷えないように,バスタオルをかけてもらいます。この時,マッサージを受けていない片方の腕から指までもバスタオルで巻くように覆ってもらいます。

  2. マッサージをする人は相手の正面に座り,マッサージを受ける人が手を伸ばした時に,手がマッサージする人の太ももに乗せられる位置まで近づきます。

    また,もう一枚のバスタオルを両太ももの上に覆うように広げてください。これはオイルが衣類につかないようにするだけでなく,相手の手を乗せる際に安定感を保ち,マッサージが実施しやすい利点があります。

マッサージの基本的な方法
 

 まず,手の中で最も刺激に敏感な場所を知ることが大切です。それは,爪がある指先,

指先の触球,指の付け根,手首の筋がある部分などが挙げられます(その2.2.図1手の最も敏感に感じる場所)。
 

1)全体のマッサージ
     

 最初に,相手の利き手からマッサージを始めます。手のマッサージは,片方ずつ全コースを続けます。

 マッサージを行う人は,まず左手で相手の手のひらが上を向くように手首の近くを下から持ち上げるように支えます。次に右の手のひらで相手のひじから5cmほど下から指先に向か って,力を少し加えて撫でるように数回くり返しマッサージします(図3)
 

 相手の手の各指を少し広げるようにすると,マッサージをする時に手が安定します。

 そして次に,相手の手のひらを下に向けてひじから手の甲,そして指先へとマッサージを数回します。この時,オイルを皮

膚に塗りつけるように,力を少し入れてマッサージをしてください

  図3  手全体のマッサージ

2)手の甲のマッサージ
   


 まず,相手の手を左右から両手で抱え込みます。
 

 手の甲の中心に両手の親指を揃えて置き,そのまま少し強めに外側へ開く感じで,撫でるようにマッサージします(図4)

 

 これを最低5回は繰り返してください。

  図4 手の甲のマッサージ 図5 関節部分のマッサージ

3)手の甲から骨と関節部分のマッサージ
  

 相手の手の甲を上にして,相手の手首を自分の左手の親指と人差し指で上下から挟みます。この時,親指は上から,その他の指は手のひらを支えるよに下から受け止めます。

 手のひらの手首から指先にかけて,それぞれの骨があります。相手の指を自分の親指と人差し指で上下から挟み,各骨の間を撫でるようにしながら,手首から指の付け根まで,マッサージを数回繰り返します(図5)

 最低3回はマッサージをしてください。最後は,指の間を軽く押してじめをつけてください。

 

4)指のマッサージ

 指先から手の甲に向かって指の付け根(手根骨)まで,マッサージをします。この時に,マッサージする人の人差し指は,下から持ち上げるように相手の手を支え,親指の触球で指の骨の上部をクルクルと回しながらマッサージをします(図6)
 

 また反対に手の甲から指先に向かってマッサージすることもできます。この時,あまり早く回さないことと,早く先に移動しないように注意することがこつです。回し方は,親指と人差し指で丸い玉を転がす要領で行うとマッサージしやすくなります。指の左側と右側を1回ずつマッサージしてください。マッサージした後,最後にその指先を軽く押して,けじめをつけてください。すべての指にこの方法でマッサージを続けてください。

  図6  指のマッサージ

5)指の横をマッサージ
 

 4)と同じ方法で,指の骨の横の部分を,各指に1回ずつマッサージします(図7)
 

6)手のひらを上向きにして指のマッサージ
 

 相手の手のひらを上に向けます。人差し指で下から支えるようにしながら,親指の触球で相手の触球を手のひらの指紋の部分を数回クルクルと回すようにしてマッサージをしてください(図8)。マッサージした後は,最後にその指先を軽く押してけじめをつけてください。各指共に1回ずつマッサージをしてください。

 

7)上向きにした手のひらを横にマッサージ
 

 マッサージする人は相手の手のひらを広げて,左右の親指を相手の手のひらの中心線に当てます。その位置から左右に向かって,オイルを伸ばすようにマッサージします(図9)。この方法で,手首から指先へ向かって指の付け根までマッサージします。この時,マッサージする人の親指以外の指は,下から抱え込むように手の甲を支えながら移動してください。最低2回はマッサージしてください。

図7 指の横の部分のマッサージ 図8  指先の触球部分のマッサージ 図9  手のひらを左右にマッサージ

 

ストックの一言:

 

認知症高齢者と話す時は、相手の声よりも少し低めにゆっくりと話してください。

   
一人でも多くの介護者が、手のマッサージや握り方の方法を学び、老人達のために活用される日が来る事を期待しております。

               (2007年1月17日 記載、日綜研のサイト)  
                 

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