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痴呆の介護の仕方(2007年)

  痴呆症介護ガイドブック」

タクティールセラピーの紹介
  

    
第2回

連載認知症高齢者との「タクティールマッサージとは」                     認知症介護 Vol.7 No.2
       
タクティールセラピー   その1.2 背中 マッサージの注意点と基本的な方法
      

1)注意点

  • マッサージをしている間は,常にどちらか一方の手が背中に触れているようにしてください。これは相手に,マッサージが続いていることを確認させるためです。

  • 両手を離してしまうと,相手はマッサージが終わったと感じるので,続けてマッサージをすることを伝えて,相手が承知したことを確認してから続けてください。特に障害のある人や認知症高齢者などの場合は,手をさっと離すことは絶対にしないようにしてください。

  • マッサージの動作はゆっくりとしたテンポで行い,時々相手にマッサージの力加減や,手の移動速度,気分などを必ず確認して,相手が気持ちよいと感じるように調整してください。あまり力を抜いてマッサージをすると,相手はくすぐったく感じ,マッサージ効果がなくなるため注意してください。

  • 各基本動作が終わり,次の基本動作に移る前には,けじめをつけるために10秒くらい間を置くことが必要です。絶対に続けてマッサージをしないようにしてください。相手にストレスを与えることになります。

  • 手の動かし方は,可能な限り動かす方向に指先を向けるようにしてください。

2)基本的な方法

  1. 回転

     背中全体に円を描くようにマッサージをします。まず,背中の中心に両手を揃えて(両手の親指を揃えて指は閉じる)静かに置いてください。ゆっくりと背中の中心から右回りで,だんだんと円を外側へ広げて渦巻き状にマッサージしていきます(図1)。両手を背中の脇近くまで大きく回していきます。マッサージを始めた時に,相手に力の入れ具合を確認してください。
     最低5回転(1回転の速度は10 〜 15秒程度)繰り返し,最後に背中の上部で停止してください。そして,両手を背中から離さず,滑らせるようにして両肩に進みしばらく休んでください。
         

    図 1 「回転」の手の動き
        
       

     マッサージは,手のひら全体に平均的に力を入れながら行うことがコツです。両肩に手を置いて休む時間は,およそ5〜10秒です。このマッサージを行う回数は,1回のみです。
     

    注:図1は手の移動方向を示したものであり,回転数ではありません。

     

     

  2. 朝日
     

     (1)と同じように,背中の中心に両手の親指を揃えて置きます。まず,右手から指を閉じたままの状態で,背中の中心より時計の12時方向に滑るようにマッサージをします。その時,左手は背中の中心に置いたままにします。右手が背中の脇まで到達したら,ゆっくりと離します。

     そして,右手を背中の中心に戻してから,左手を右手同様に時計の1時方向に向かってマッサージをします。

    左手が脇まで到達したら背中から離して,右手が残っている背中の

     中心まで戻し,同時にゆっくりと右手を時計の2時方向(背中の右やや斜め上方)に向かってマッサージをします(図2)。

      図 2 「朝日」の手の動き

     これら手の動作を左右交互に繰り返しながら,背中の中心から時計の針の進行方向と同じようにマッサージを続けます。背中の下方に向かってマッサージをする時には,手はズボンのベルトの位置で止めてください。上部は肩および首筋で止めてください。

     このマッサージを2周繰り返し,最後に一方の手を肩までマッサージしてその位置で止め,もう一方の手も背中の中心から肩の位置(中ほど)までマッサージして止めてください。両手を両肩に置いたままの状態で,5〜10秒くらい休み,そして両手をゆっくりと背中から離してください。

     時には,マッサージをする人がいすに座ったままではマッサージがしにくい場合があります。その時は適時いすから離れて,右脇あるいは左脇に寄ったり,片方の膝を床につけたりしてバランスを保ちながらマッサージをしてください。人によっては,身体の脇まで触れられることを嫌う人がいるので,必ず確認してください。

     

  3. 滝登り
     

     腰のベルトの位置に両手を揃えて,背骨(脊柱)の両脇を上に向かって這うように,マッサージをします(図3)。この時,心持ち力を加えるようにしてください。
     首筋(頸椎)までマッサージをしたら,両手の指を揃えたまま,肩の上部に沿って左と右にそれぞれ分かれます。テンポが早くならないようにゆっくりとマッサージをすることがポイントで

    す。

     
      図3 「滝登り」の手の動き

       
    肩から腕の付け根(肩関節)の位置に移動し,背中の両脇をそれぞれ下方に向かってマッサージしながら,腰の位置(腰椎)まで移動し,スタート地点に戻ります。

     左右の手は,背中の左と右を対称的かつ同時に移動するようにしてください。このマッサージを5回繰り返し,最後に脊柱を真っすぐ上までマッサージして,両肩に手を添えて5〜10秒くらい休んでください。衣服を着ている場合,衣類にしわが寄りマッサージしにくい時がありますが,その際は両手を交互に離して衣服の緩みを正してください。

     

  4. たつまき
     

     まず,マッサージを受ける人に了承を得てから,ズボンのファスナーを下ろし,ベルトを外してもらいます。腰の位置より少し下(第5腰椎の辺り)までズボンを下げて,そこから左右の手を脊柱から身体の両脇に楕円を描くように移動します。そして,両脇から同じく楕円の続きを描くように脊柱までマッサージします(図4)。

       図4 「たつまき」の手の動き

     この時も手を身体から離 さないようにしてください。マッサージを始める位置が低いので,マッサージをする人はいすから降りて,両膝を床についた体勢になると容易にマッサージできます。左右同時にマッサージを続けながら,脊柱に沿って両肩の位置まで10段階くらいの幅で,順番に手の位置を少しずつ上に移動してマッサージをします。

     最後に両手を両肩に止めて5〜10秒休みます。マッサージを行う回数は1回のみです。

     このマッサージはスピードが速くなりやすいので,腰の低い位置から左右の手を同時に動かし,渦巻き状にだんだんと上にゆっくり移動することがコツです。特に,腰に疲労感がある人には効果があります。
     

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ストックのひとこと

 高齢者と話をする 時は、相手の目先と同じ高さ、または下から見上げるようにして話しますと、老人は違和感と緊張がなくなり、安心して話を聞いてくれます。


一人でも多くの介護者が、手のマッサージや握り方の方法を学び、老人達のために活用される日が来る事を期待しております。

     (2007年1月14日 記載、日綜研のサイト)  
                  

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