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痴呆の介護の仕方(2007年)

  痴呆症介護ガイドブック」

タクティールセラピーの紹介    高齢者社会福祉専門家(アドバイザー) 澤野 正美

    

    
第2回

連載認知症高齢者との「タクティールマッサージとは」              認知症介護 Vol.7 No.2
     
タクティールセラピー   その1.1 背中 


はじめに

 

前回は,タクティールセラピーの歴史と,マッサージとは何かを述べました。

タクティールセラピーでは,身体各部をマッサージしますが,基本的には手と足,および背中に行います。

 今回は,タクティールセラピーの準備と方法を紹介したいと思います。


マッサージを始める前にまずは,マッサージの流れと事前準備をよく読んで理解してください。
 

1)マッサージの流れ
 

(1)実施前に行うこと

  • いくら押したり,強く揉んだりしないからといって,爪が長いと肌に傷をつけることがあるため,マッサージをする人は必ず爪を切ってください。

  • 時間,場所,特に集団でマッサージをする場合などは,マッサージの計画を事前に立ててください。

  • 相手の嫌がることや,相手の痛がる部分を事前に確認してください。

  • 事前に糖尿病,皮膚病,その他の病気の有無を確認することが大切です。

  • けがをしている人,熱があり頭痛のある人,皮膚病のある人にはマッサージをしないようにてください。

  • マッサージに自信がない人は行わないようにしてください。無理に力が入ったり,マッサージ中に手を滑らせたりして,相手に不快な気持ちを与えることになるからです。衣服を着たまま行うマッサージの基本的な方法(P.105 〜 109)を何回も練習して,要領を得てから行ってください。

(2)マッサージを始める前に

  • マッサージを始める前に,気分を整えるため,ゆっくりと深呼吸を数回してください。

  • 基本マッサージを始める前に,必ず相手に「これからあなたの身体に触れてマッサージをしますよ」と告げ,了承を得てください。特に初対面の時は,自己紹介を忘れないようにしてください。

(3)休憩をとる

  • 背中・手・脚のマッサージを連続して同時に行わないようにしてください。これらを連続して行う場合は,10分から15分ほどの休憩が必要です。これは,相手に次のマッサージに移るまでに気持ちの準備が必要なためです。この休憩中には,気分はどうだったか,嫌な感じを受けた場所や行為があったのか,こうしてほしいと感じたことはあったかなど,相手に質問をしながら会話をするようにしてください。

(4)マッサージが終わったら

  • 背中のマッサージの基本的な方法は,(1)〜(7)まであります。基本(7)が終わった時には,相手の肩に両手を当てて手を置いたまま数秒休息し,相手に「終わりましたよ」と伝え,感謝の気持ちを言葉で表してから,手を離すようにしてください。

  • マッサージが終わった後は,身体が冷えないようにバスタオルで肩や背中全体を包んでください。マッサージ後の余韻を味わってもらうためにも効果があります。

  • 相手にマッサージの力加減について確認し,どの部分が気持ちよく,どの部分が不快と感じたのかを必ず確認してください(例えば,背中の脇のマッサージで,乳房に手が触れて嫌だったなど)。

2)事前準備
 

1)基本準備セット

  • オイル

  • バスタオル 2枚

  • ハンドタオル 1枚

  • 手すりやひじかけのない背もたれ付きのいす 2脚

    (いすを抱えるように座るため,背もたれが小さく短いものが望ましいです)

  • クッション 1個

  • スリッパ,またはサンダル(履き替える必要があるため)

  • 石けん

  • シーツ(マットの上でマッサージをする場合)

  • リラックスしてもらうための飲み物

    特に糖尿病などの病気を持つ人は,水分補給のため飲み物と,薬やインスリンなどを用意することを忘れないようにしてください。このことはマッサージを始める前に必ず確認してください。

  • リラックス効果のある音楽と音楽再生機器
    リラックスできる環境を準備する場合に必要ですが,必ずしも必要ではなく,あればよいものです。

(2)環境

  • リラックスできる音楽を聞きながら行うと効果的です。

  • 騒音の少ない落ち着いた環境は,マッサージを受ける側もする側も集中できるので,静かな部屋を選択することが重要です。

  • 上半身裸になってもらう場合,特に冬季は暖房を利かせることと,窓のカーテンを閉め,外からの視線を遮ることができる部屋が必要です。

  • マットの上でマッサージを行う場合は,必ずマットをシーツでカバーし,床が奇麗(衛生的)に清掃されていなければなりません。ごみなどが落ちていないか確認してください。

マッサージの練習

 

上半身裸になってもらい,オイルを使用して背中にマッサージを行う前に,基本的な 手の動きを練習する必要があります。どんなマッサージをどのように行うのかを確認します。まずは衣服(ジャージが望ましい)を着たままで練習しましょう。
 

 後述のマッサージの基本方法に従って,この練習では,手を動かすテンポと力の入れ方を習得し,マッサージの種類および背中のどの範囲をどのようにマッサージするかを学びます。

 基本方法は裸でマッサージする時にも活用しますので,要領を得るまで数回練習することをお勧めします。事務所,家庭,施設など,どこでも,いつでもできます。職場のスタッフとも一緒に練習をしてください。
 

1)注意事項
 

 衣服の上からマッサージをする時は,衣服がたるみ,どうしても手にまとわりつきます。こうなると手が動かしにくいので,衣服を着て練習する場合のみ,時々身体から手を離すことが必要です。あまり強く力を入れず,撫でるように実施(タッチング)して ください。
 

2)基本姿勢
 

 マッサージを受ける人には,背もたれにクッションを置いて,その上からバスタオルを広げて覆ったいすの背もたれを抱えるように座ってもらいます。そうすると,マッサージを受ける時に背中を押されても,いすの背もたれに当たって胸部が痛くなることを防げます。

 マッサージをする人は,手を伸ばして相手の背中をマッサージしやすい距離でいすに座ってください。


次のページから、マッサージの注意点と基本的な方法を紹介します。
    

ストックのひとこと:

やさしく相手の肩から肘のあたりに手をふれて、話をすると老人は安心して話を聞いてくれます。

   
一人でも多くの介護者が、手のマッサージや握り方の方法を学び、老人達のために活用される日が来る事を期待しております。
 

  (2007年1月9日 記載、日綜研のサイト)
                         

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