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痴呆の介護の仕方

 
痴呆症介護ガイドブック」

20. 「目的達成のために」 その2.

3.介護にさいし、人としての感情を持つこと。

訪問介護者は、一人の痴呆性老人のみを介護しているのではなく、受け持ち地区の各家庭を定期的に訪問して、限られた時間内に計画を立てた、可能なかぎりの介護を実行しているわけです。しかも、それが毎日の仕事となり、介護者自身もそのときの体調や家庭での問題解決、職場でしなければならない事に頭を悩ましたりと、人である以上はいろいろな問題に直面して、感情のコントロールができない日もあります。

たとえば疲れている時には、自分でも気がつかない内に老人の感情に負けて、いらついたり、無意味に愚痴をこぼしたり、介護の時に荒々しくなったり、気が短くなったり老人にあたったりすることもあります。しかし痴呆性老人は、介護者のそうした感情を読み取るほどの理解力はなく、すべて自分に向かって言われていると解釈しやすいことを忘れてはいけません。

毎日何人も介護していると慢性になりやすく、無意識に粗雑な介護になりやすいものです。そんな時は老人も家族も敏感に感じるものです。特に注意をしなければならないのは、老人が介護者の感情のあらわれを自分に対してと誤解しやすく、介護に素直に応じない危険があります。訪問介護者は、そのことに気がつかないと、不必要なトラブルが発生するのみで、本来の介護もできなくなるばかりか、時には事故にもつながることがあり、十分に気を付けなくてはなりません。

介護には患者の医療処理をしていると考えるのではなく、年老いたこどもを相手にしていると考え、思いやりのある介護をすることです。老人を一人の人間として老人の人権とプライドを尊重して対応することです。決して相手を馬鹿扱いや子供扱いにしたり、卑下した言葉や態度は絶対にしてはなりません。


4.暖かい思いやりを持つこと。

痴呆性老人の人生は、一般社会常識では計ることのできない、精神的および肉体的に非常に難しい状態にあります。初期状態の場合は、老人もまだそれほど認識感覚の障害を持っていないので、日常生活にはあまり支障がありませんが、中度の症状になってからは、痴呆性老人の持ついろいろな障害により、時には大人としての行動や発言をし、時には子供かと思われる言動があり、症状は常に変化しています。

症状が悪化すればするほど、時間ごとにその変化がはげしく、介護者は老人にふりまわされます。しかし感情は長く残っていることから、老人が自分の気持や言いたいことの表現が出来なくても、介護者の態度や言葉には敏感です。

老人がいらついた時などには、何を言いたいのか、ゆっくりと時間をかけて聞くことです。介護者は言葉の補足をして、老人が思い出せない言葉の記憶の道案内役をし、コミュニケーションが取れれば老人は落ち着いてきます。介護をする時には老人の状態をよく把握し、老人が理解できる言葉で話をし、老人の不安な気持を理解して、暖かい思いやりで常に応対して下さい。


5.痴呆症の病気と介護の仕方について知識を持つことは、全ての訪問介護者に必要です。


ホームヘルパーやナイトパトロールなどの職員を抱えている、介護センターなどでは、全ての職員に教育をすることが必要であり、最低条件ともなります。教育のない職員を訪問介護に派遣するのは、家族の信頼感を得ることは難しく、ましてや家族に適切なアドバイスをすることなどは不可能といえます。痴呆性老人の介護は、介護者が看護婦やそのたの職業経験があるからと全ての職員が、訪問介護者として適しているのではありません。

痴呆症は普通の病院で介護、手当されているような病気とは根本的な相違があり、正しい知識がないと、痴呆症とは何かを理解することは難しく、ましてや老人に適切な介護をすることはできません。

そのため全ての訪問介護者に「痴呆症の病気と介護の仕方」の、教育が必定条件となります。教育は常勤勤務者でも、パートタイムの勤務者でも必要なことです。

    (2004年1月10日 記載)


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