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痴呆の介護の仕方

  痴呆症介護ガイドブック」

14.「ぼけ」になると・・

ぼけになると、ぼけ老人はどう変わっていくのかを知ることが、後に説明するいろいろな障害そのものより、介護の方法として一番大切なことです。ある本に「痴呆老人の症状の進行性は、特に幼児に戻る過程を思わせる」と書いてありました。

「年のせいで、ぼけてきた」と周りが笑っていたころから、ぼけ老人の言語行動に振りまわされて、介護の難しさを身にしみて感じる様になるまでの間に、ぼけ老人の身体の中ではどんな変化がなされているのだろうか。ここではアルツハイマー型痴呆症老人の場合について説明します。

子供を育てた経験のある人のみでなく、誰もがよく知っていることですが、子供の成長過程を思い出して下さい。生まれて間もない乳幼児は、口で吸うことを知っています。そして成長してくるに従い、目の前にあるものに興味を持ち、手で握り、口に持っていきます。両親が話す言葉や周りの音を感じ始め、言葉をまねして覚えていきます。子供時代に疑問をもつことも、自分の物を保護することを覚えます。こうしていろいろな事を覚え成長していきます。これを子供の成長と痴呆老人とを対象したのが、次の図面です。

下から上に能力が移動しているのが、子供の成長にともなう能力の発達状態です。アルツハイマー型痴呆老人の場合は、反対に上から下へと能力が低下していきます。

図面参照 

 言語能力 

 体力、運動能力

 見当識能力

・自由な会話ができる

・簡単な説明ができる

・一部の単語のみできる

・発声とか泣き声がでる

・自由に歩ける

・座れる

・上体を持ち上げる

・頭を持ち上げる

・はいはいをする

・時間を理解する

・部屋の構造を理解する

・人物を覚える(最初に母親

 の顔を覚える)

アルツハイマー型痴呆症老人の場合は、脳の細胞破壊などにより、障害がすすむにしたがって子供の成長とは全く反対の状態に進み、大人から子供へと戻っていきます。

子供の成長は丁度花の成長にたとえる事ができます。芽が出て、葉が大きくなり、茎が伸びるとともに成長し、花が咲きます。図面でもうすこし詳しく説明します。

花の根は遺伝子です。最初に母親から母乳を飲み成長を始めます。そして父親や兄弟に囲まれて成長を続け、友達ができ、学校に通い、社会に出て仕事を持ち、成人になるとともに相手を見つけて結婚し子供を持ち家族があり、成人社会で活躍し人生で一番良い時期に当たるのが開花時代です。

花びらは職場の友人、交際相手、兄弟達との交際、仕事などで、自分は花の中心にいます。

痴呆性老人が病気になると、心の中ではこの花びらが、一枚ずつ落ち、全ての花びらが無くなり、花が枯れ、青々していた葉も一枚一枚枯れていきます。

暖かい太陽の光や、水を与えてくれるのが、介護者や身内家族です。

しかし、その努力にもかかわらず、花は再び咲くことなく、そして最初に芽が出た茎のみが残ります。

最後にはこの茎が枯れた時が人生の終となります。

痴呆の介護をしている人には、ぼけ老人が身体は大人でありながら、行動や話す会話の内容が子供みたいになっていくことを経験し、時には痴呆の母親に、「おかあさん」と呼ばれて、自分自身が母親になった経験があることと思います。

アルツハイマー型痴呆の老人が重度の障害となった時、この図面で説明した最初に芽が出て出来た葉、つまり母親がここで意識の中に出てくることがおわかりと思います。

子供の成長における記憶で一番最初が母親です。この症状が第一に書いた「記憶力の障害」が原因です。

 忘れないで下さい。

 * 痴呆症は普通の老化現象ではありません。

 * 痴呆症にはいろいろな病気が原因となっています。共通することは、大脳の神経細
   胞が破壊され、いずれは滅亡するのです。

 * 多くの老人は、高齢者になっても、健康な生活を保持しています。しかし一部の老
   人には高齢になるほど、痴呆症が増加していきます。


  (2003年12月17日 記載)
 
      

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