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スウェーデンの高齢者福祉と介護 2014

 

ここに掲げる、「言わ猿」「聞か猿」「見猿」のカットを象徴として、今まで日本国内であまり報道されなかったり、書物に書かれなかった、高福祉大国とまで言われた、スウェーデンの福祉の現状を、各種の資料を基に記載していきます。一時は理想郷とまで言われたスウェーデンの社会福祉は、今は昔話となっています。これからの高齢者の将来は、必ずしも政治家たちが言う通りではなく、すでに福祉の介護や質の低下は、大きな社会問題となっています。


経費節約で高齢者施設、住宅など減少:

国営テレビ局の高齢者福祉調査によると、過去4年間で高齢者福祉の質は低下、特にスウェーデン北部の4県に
居住する住民調査では、居住する高齢者対象で、56%がとても悪くなったと回答、全国回答では、約40%が悪いと評価しています。 高齢者の医療については、評価が分かれ10人の内4人が「悪くなった」と評価し、同じ割合で「良いと思う」と回答しています。

高齢者住宅の軒数
2001年 118 600
2002年 115 500
2003年 110 900
2004年 104 800
2005年 100 800
2006年 98 600
2007年 95 200
2008年 96 700
2009年 96 400
2010年 93 980
2011年 92 200
2012年 90 500

民営医療については、北部4県では30%が良いと回答、53%が民営医療に反対しています。また高齢者福祉施設および高齢者住宅については、施設の数が少ない不満だとする回答が83%と非常に多く、現状で良いと回答したのは、わずか6%でした。
南部地区のスモーランド地方では、約50%が高齢者福祉は悪くなったと回答。

特にホームヘルパーに関しては、在宅介護に訪問する介護職員が、毎日変わったこともあり、カールマル・コミューンの在宅介護では、シャワーとトイレ介助を受けた時、2週間で16人の職員が訪問し、安心して介護を受けられないと不満を訴えている高齢者もいました。

ボールネス・コミューンでは、2週間で26人の異なった介護職員が訪問していました。
2001年以後に、全国のコミューンが廃止した高齢者住宅は、2012年には、28,100件の減少となっています。

これで「高齢者福祉は改善され、良くなっています」と、政治家たちの発言には、大きな疑問を感じます。高齢者住宅を追われた高齢者の行先は、孤立したアパトー生活であり、家族の負担が増加しました。しかし家族がいる高齢者は、まだ良い方であり、独身高齢者の場合は誰も訪問をしてくれる者は居ない 、孤立した生活をしています。

ティーレショー・コミューンに住む89歳の女性カーリン・エンクヴィストさんの場合、エレベーター設備のないアパートの2階( 日本では3階に該当)に住み、足が不自由なために高齢者住宅に入居を希望しましたが拒否されました。
女性は以前脳梗塞で倒れ、一時リハビリりのためにショートステイに入居した経験があります。その時は、介護職員たちとも一緒にコーヒを飲んだり、雑談したりとても楽しかったと言います。

ホームヘルパーは女性と買い物で外出したり、散歩する時間がないために、この女性は2年近くアパートから外出したことがありません。 福祉課の拒否理由は、「あなたは元気すぎる」と説明。「動けなくなるまで入居できないのか」と嘆いている女性。このよう に入居拒否されている高齢者は珍しくはありません。高齢者対応と介護の質、内容が悪化してきました。日本の大学や福祉講演で説明されているほど、スウェーデンの高齢者福祉は、理想郷ではありません。

もちろん高齢者住宅や施設に入居が承認され、介護を受けている幸運な人たちもいます。 しかし、サービスハウスを廃止した後、新規に高齢者住宅や施設はあまり建設されていません。追い出された高齢者は話し相手もなく、一人淋しくアパート住まいを 、強制されられていることが問題ではないかと思います。日本からの研究者や訪問者は、この問題に目を向けていないのがほとんどです。あるいは知っていながら、知らないふりしているのかも。

1990年代以後、24時間勤務の職員がいたサービスホームは、経費節約で人員整理が進み、ストックホルム・コミューンでも2009年代には、各地でその代替えとして安心高齢者住宅という名前に変更し、職員全員を廃止してきました。サービスハウスは、「+65 高齢者住宅」という名前に変わったのみで、同じ高齢者が入居しているものです。

全国の多くの高齢者は、高齢住宅または施設に入居を希望していますが、コミューンの高齢者福祉課査定委員の拒否により、入居できない要介護者はとても多くいます。ある程度歩行ができれば、自分で活動できるではないかと、日常の行動にどのような不便を抱えているかなど、無視されることが多くなりました。入居拒否の理由は、ほとんどの場合政治家の指示による、経費節約が理由と思われると高齢者調査では報告いたします。

スウェーデンの社会サービス法では、誰もが希望する高齢者施設に入居できると保障していますが、現実にはコミューンが決定するために、希望する施設に入居できる保証はありません。多くの高齢者が入居できない一番の原因は、高齢者施設が新規に建設されることはほとんどなく、施設の絶対数不足が原因かと思われます。

      (2014年1月30日 記載 STV 資料参照 )  


 

 

  

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