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スウェーデンの高齢者福祉と介護 2014

 

ここに掲げる、「言わざる」「聞か ざる」「見ざる」のカットを象徴として、今まで日本国内であまり報道されなかったり、書物に書かれなかった、高福祉大国とまで言われた、スウェーデンの福祉の現状を、各種の資料を基に記載していきます。一時は理想郷とまで言われたスウェーデンの社会福祉は、今は昔話となっています。これからの高齢者の将来は、必ずしも政治家たちが言う通りではなく、すでに福祉の介護や質の低下は、大きな社会問題となっています。


高齢者住宅に入居するために、並ぶ高齢者たち・・
 

今年3月15日、ストックホルム北部にあるヤコブスベルグ・コミューンの町、不動産 家の前に異常な行列が見られ 、そこには多数の人たちが、寒い朝なのに毛布を膝にかけて座っていました。

こんな小さな町の中でライブがあるのでもないのにと思いましたが、なんと行列に座っている人たちは、みんな高齢者の男女、とてもライブのチケット待ちとは思えず質問したところ、高齢者住宅の申し込みの順番を早く確保するために、前夜から並んでいるとのことでした。 なかには前日7時間も座り込み、その後息子たちの応援も得て、朝を迎えた人もいました。高福祉社会の裏の面を眺めながら、わたくしが場所を離れる時には、30名を超えていました。

並んでいる高齢者に理由を聞くと、政府が公言している「誰もが好きな場所の高齢者住宅に入居できるは信頼できないから、高齢者住宅マンションの販売を聞いて、申し込みのために並んでいる」との事でした。

長いスウェーデン生活で、初めて聞いた出来事でした。 スウェーデンは、ここ10年近く1万件を超える高齢者住宅と施設が廃止されていますが、反対に高齢者は毎年増加し、しかも認知症高齢者など、要介護者が増加しているにもかかわらず、コミューンは施設及び高齢者住宅の建設を進めていません。

そこに目を付けたのが住宅建設会社です。 普通には高齢者住宅は、コミューンの福祉課に入居希望の申請をし、条件が整うまで何年も待たなくてはなりませんが、民営住宅会社が建設する高齢者住宅の入居は、福祉課の認定を受ける必要がありません。建設会社は規定の55歳以上の高齢者に、高齢者住宅としてマンションシステムで販売することができます。

今回の高齢者住宅は46戸ですが、申し込みはなんと販売開始前に600件を超えました。それが報道されると、不動産会社の事務所前には、販売の前日から高齢者が、まるで若者たちのライブの切符購入前のように並び、3月の夜の寒さを防ぐために、椅子に毛布掛けて寒さをしのんでいました。

この高齢者住宅は、一日で全戸販売を完了しました。部屋は1DKから5DKベランダー付です。 この高齢者住宅に入居するには、申し込み時にマンション購入価格の20%の頭金、さらに手付金10%を納めなくてはなりません。

価格は150万クローネから、500万クローネほどと決して安くはありません。 この住宅が購入できる資格は、ある程度経済的余裕のある年金者、または現在も就職して収入がある者となります。定年前に子供の養育や家庭にて主婦として40年以上の勤務と、納税をしていない低年金者は、こうした高齢者住宅のマンションを買う余裕はなく、コミューンが管理する高齢者住宅に空きができるまで待つしかありません。

多くの高齢者がエレベータもないアパートに住んでいますが、すくなくとも、こうした高齢者たちには、スウェーデンの高齢者福祉の恵みは受けられません。貧富の社会格差は毎年増加するばかりです。
 

不動産会社の事務所前に行列の高齢者たち


 

高齢者住宅は、まだ未完成ですが、完成予想図です。

 

       (2014年3月29日 記載)

 

 

  

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