行動観察は、その人の日常生活における意欲や関心、身の回りのことの処理能力などについて判断し、知的能力を総合的に評価します。行動観察によるものですから、認知症の程度には関係なく、評価できるという利点があります。それゆえに、評価対象者の日常生活について熟知している、家族、介護者、友人などから確かな情報を得ることが必要になります。
柄澤式「老人知能の臨床的判定基準」 下記の表を印刷してご利用ください。
判定 |
日常生活能力 | 日常会話・意思疎通 | 具体的例示 | |
正
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(−) | 社会的、家庭的に自立 | 普通 |
活発な知的活動持続 |
(±) | 同上 | 同上 | 通常の社会活動と家庭内活動可能 |
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異
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軽度 (+1) |
通常の家庭内での行動はほぼ自立 日常生活上、助言や介助は必要ないか、あっても軽度 |
ほぼ普通 |
社会的な出来事への興味や関心が乏しい
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中等度 (+2) |
知能低下のため、日常生活が1人ではちょっとおぼつかない |
簡単な日常会話はどうやら可能 |
なれない状況で場所を間違えたり道に迷う
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高度 (+3) |
日常生活が1人ではとても無理 |
簡単な日常会話すらおぼつかない |
なれた状況でも場所を間違え道に迷う
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最高度 (+4) |
同上 | 同上 | 自分の名前や出生地すら忘れる身近な家族と他人の区別もつ かない
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