From Stockholm
HOME 福祉紹介 ニュース 観光・旅行


ミニ情報 リンク集 掲示板

 




学校と教育 (2009年)

 
スウェーデンの学校教育の将来は:

 

スウェーデンでは、数年前に学校基礎教育の自由化に伴い、営利を目的とした私立学校が増加しています。

公立(コミューン経営)の学校と私立の学校による生徒の募集競争があり、多くの生徒が私立の学校に通うことを希望しています。しかし問題は知的障害、言語の遅れた生徒、自閉症の症状のある生徒たちを、アシスタントや特殊教育の教師を必要とすること、経費がかかるからと私立の学校は、何らかの障害があると思われる生徒の受けれを好みません。
 

つまり私立の学校で受け入れない問題児等も、公立の学校に通学することになります。当然のことながら公立学校の生徒の教育レベルはさがることになり、特に外国人移民者が多い地区では、学校の評判は悪化する傾向にあります。現実には差別待遇となりますが、「私立の学校は対応できる状態ではなく、生徒に十分な教育指導をすることが保証できないと」表面的にはもっともな説明をしながら、優秀な生徒を優先的に受け入れているものです。

当然評判の悪い基礎学校(小中学校)に、通学を希望する生徒数は減ってきます。その影響で今年の新学期から、生徒数が不足して経営できないとして、廃校になる公立の学校があります。この学校は数年前から、学内暴力、いじめ、近くの商店における万引きの増加などが続き、だんだんと評判が悪くなりました。

コミューンはその対策として学校の名前を変更したり、地域の商店街や警察と協力して、そうした問題の発生を防ごうと努力してきましたが改善効果はなく、マスコミにも問題が討論され、一時は800人近い生徒を教育していましたが、現在では115人までに減り、ついに今年の新学期から、廃校することにコミューンは決定したものです。
 

 

公立の学校が減り私立の学校が増加していますが、しかし時には、あるアフリカ系小学校のように、校長が県から教育費として支払われている金額を、テロリストへの資金援助として横領していたことが発覚したり、宗教を強制的に教育科目の中に入れることを禁止しているにもかかわらず、イスラム教の指導をし教育庁から指導、監督を受けるなどの、いろいろな問題が発生しています。

 

またエリート教育で学校の評価を上げ多くの生徒を集めるために、生徒の成績を普通以上に良い成績評価を出し、教育庁から指導を受けた学校などもあります。

(左の写真は、高校の卒業式の後、校門から出て卒業を祝う生徒たちです。)


しかし、一番の問題は僻地における学校の実態です。経済不況が続き、ちいさなコミューンの住民が、家族ぐるみで就職していた会社の倒産や人員整理などで失業し、他の地域に仕事を求めて移動する若い家族が増加してきました。

学校に通う子供がすくなくなり、昔の日本の東北地方に見られたような、小学校全体で
10人ほどの生徒しかいない学校も珍しくはなくなりました。コミューンの経費負担は大きくなり、学校閉鎖をする地域も多くなりました。今年の新学期(ちなみにスウェーデンは夏休み後の8月が新学期となります)から、ある地域の子供は、毎日片道100キロもある遠い街の学校に通うことになりました。タクシーで往復する費用はコミューンが負担しますが、それでも小さな学校を経営する費用よりは安いと発表しています。通学時間があまりにかかることから、子供を抱える両親たちは、他の地域に移動することを検討しています。
 

スウェーデンで最近廃校になった学校数を調べたところ、全国で2003年以後閉鎖した学校数は、350校にもなります。同時期に少子化の影響で、全国で約15万人の生徒減少となっています。ここ数年子供の出生率が増加してきましたが、この子供たちが小学校に通うころになると、学校不足の問題が発生することは、コミューンの教育担当者は理解しています。しかし現在税収入が激減し、教育および福祉費用の削減をせざるを得ない地域が多くあります。多くのコミューンで教職員の人員整理が続いていますが、スウェーデンの僻地学校教育の将来は、どのようになることか。

 


     
( 2009年7月25日 記載 )


このページ及びストックホルムのホームページの無断転載を禁止します。ただし、タクティールマッサージは自由に利用してください。掲載希望の方は管理者(fukushi-sweden@hotmail.co.jp)に連絡してください。) 
                     

         
                           
INDEXに戻る      前のページ     次のページ