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労働時間に関する法律ができるまでの歴史:

スウェーデンで現在適用されている「労働時間に関する法律」は、1982年に改定されたものであるが、その基礎となった法律は、1970年に制定された法律である。
スウェーデンは、約150年前は貧しい国であり、地主、財閥、経営者が全ての権力と権限を有していた時代であった。当時貧富の差は大きく、労働者は経営者たちに、何らの要求すら出来ない厳しい社会で構成されていたが、1850年代入って労働組合の活動が活発になり、組合の力が経営者たちに大きく影響を与えるようになってきた。

そして政府は、労働者騒動が続き経済不安も大きくなり、経済建て直しを計るには、労働者の要求を受け入れざるを得ない状況になってきたと判断し、1856年に「労働時間に関する法律」を国会に提案した。

当時は、一日の勤務時間は最高12時間とし、16歳以下の子供の勤務時間は8時間と規定された。これが労働時間を規定した最初の法律起案であるが、この提案は経営者側の強固の反対により、法律とならず却下された。

しかし、その後組合活動は活発になり、組合が会社経営そのものに影響を与える事が大きくなったことから、1889年の5月1日のメーデーで、初めて組合は正式に、一日8時間労働を要求した。時の流れと共に、経営者側も徐々に譲り、労働時間は少しづつ短くなってきた。

1905年には、重工業労働者の平均勤務時間は、一週間に59.5時間となった。そして12年後には、勤務時間は、週に56.4時間と短縮された。

1919年に初めて、政府は労働時間法を制定し、19020年に施行され、週に48時間となった。しかし、実際にこの法律が労働者保護に確定するまでには、経営者側が納得せず、法律で経営者に罰則規定まで制定されて確立したのが、1930年であった。当時のこの法律は重工業労働者を対象としたもので、5名以下の小企業は対象にならず、また事務所職員などには適用されなかった。これは官庁に勤務する職員(現在の公務員)にも適用されなかった。

また、この法律はホテルやレストラン、店員、、船員、家政婦などにも適用されなかった。しかし、時代の流れとともに、徐々にこれらの職業勤務者にも、週に48時間勤務へと短くなってきた。これは、職員組合と経営者側との、労働時間に関する契約が交わされた結果によるものである。

1936年には、農業に従事する者の勤務時間が法律によって、最高、週に52時間と決まった。スウェーデンの場合、農業に関しては、昔の日本の小作人制度に似ており、地主に農作業員として働いていたために、この勤務時間が制定された。この農民の勤務時間も、1948年には、週に48時間と短縮された。

店員についても、1939年に法律が制定され、48時間勤務となり、1944年に制定されたホテル法で、従業員の勤務時間は、48時間から51時間内と決められた。そして、1947年に48時間勤務のみとなった。また、特別の法律によって家政婦の勤務時間についても制定された。

議会国民選挙にともない、社会党は公約として48時間から45時間を宣言し、1957年に法律で制定された。この時間は一度に短縮されたものではなく、毎年1時間づつ短縮されたもので、理由は工業生産の低下になることを恐れた、経営者側の意向を受け入れたもので、週に45時間勤務となったのは、1960年である。

この年に労働者は50%、事務職員は70%と、夏季のみ土曜日休暇が取り入れられた。1963年に政府は、労働時間に関する法律の制定を目的として、委員会を発足し、この結果1966年から経営者組合と労働組合が公約し、毎年週に50分づつ勤務時間を短縮していき、1969年に週42.5時間まで短縮された。

現在のように週40時間になったのは、1970年のことであり、この間に労働時間の短縮と賃金交渉を掲げて、組合のストライキや闘争などが一部の企業で発生した。

現在の労働時間に関する法律の基本は、1983年に制定され、その後少しづつ改定されている。1993年にEU(欧州共同機構)参加へとスウェーデンは変わりつつあり、当時政府は新規に労働時間改定委員会を設置し、改定法律は、1996年10月に制定されたものである。

そして現在の法律は、1998年1月1日から改定法律となっているものである。この法律には、さらに超過勤務などに関する規定が明確に記載されている。

(LO、歴史書など資料参照 2002年8月10日 記載)

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