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社会ニュース (2004年度記事)

     
ストックホルム県内の公共交通機関、無賃乗客による損益は年間200ミリオンクローネ:  

スウェーデンについて記載してある日本のホームページに、スウェーデン人は正直で民主的だと書いてあった。しかし、最近の新聞記事を読むと、Skandia保険会社の役員達が、不況にも関わらず何百ミリオンのボーナスを取得し、会計検査で暴露してマスコミに叩かれたり、国営会社でも同様な事件が暴露している。

市民間では、どのような状況にあるのかと、ストックホルム県民の足である公共交通機関について調査してみた。

ストックホルム県内の交通機関は、数年前に民営化されて、バスも地下鉄も民営会社が委託を受けて経営しているが、政治的および機能的な面での統制はSL会社が保持している。民間会社は契約により、県民税の中で予算が組まれた一定の金額を経営費として与えられる。

しかし、公共機関である交通の利用者である国民による、無賃乗客による損益は、ストックホルム県内のみで、年間200ミリオン・クローネ(日本円加算約26億円)に達している。そのために、例えば地下鉄と市内の一部バス路線を運営している、本社がフランスにあるConnex ABでは、切符検査員を増員し、バス及び路面電車を含む地下鉄交通の乗客検査を強化するようになった。

一番の問題点は、日本の地下鉄駅のような自動改札とはシステムが異なり、簡単に通り抜けできるようになっている。しかも、職員不足から時には切符売り場には改札職員の不在が多く、乗客はスタンプを押さないで勝手に通り抜けしてしまうことが出来る、実に簡単なシステムを採用している。また改札職員は乗客が料金を支払わなかったり、切符を購入しないで通りすぎても、声をかける事は出来るが、乗客の通り抜けを阻止する事は出来ない。もちろん改札口を出る時には、切符の提示をするは必要ない。

電車内で検査員が無賃乗客を発見しても、本人が検査員からの切符提示と停止要求を無視して駅から出ようとした場合、身体を拘束することは法律による権限はなく、無賃乗客は逃げ得となる。これでは、多くの若者達や失業者が料金節約で無賃乗車をするのも不思議ではない。停止要求を受けて素直に止り罰金表を書かれた者は、いわゆる正直者は馬鹿を見ることになる。非常に非民主的なシステムを採用している。

無賃乗車が多い理由の一つとして取り上げられるのは、料金システムが理解しがたい程不公平である。例えば、ストツクホルム・コミューン間の一定地域内は、北から南まで10駅を通過して乗る場合、切符は2枚分(Skr30:−)であるが、コミューンの境界線を一つの駅を越えると、それがたとえ乗車して2番目の駅であっても、追加料金を支払う事になり、つまり切符3枚(Skr45:−)分支払わなくてはならない。

更に理解出来ないのは、ストックホルムコミューンの北の端から乗車し、他のコミューンを経由して、南の端の駅まで約36駅を通過して乗車しても、切符は4枚で済む。これでは他のコミューンに居住する市民が不平等を訴えるのは当然であろう。

近代国家とは言いながら、世界でも類をみない不公平な料金システムを採用しているが、SLは改善する予定は今のところない。

ちなみに昨年(2003年)の検査で、乗客160人の内1人の割合で無賃乗車の乗客があり、人数にして約2万7千人が罰金(Skr 600:−)または追加料金を、約740万クローネ支払ったことになる。
              
    (2004年5月6日 記載)        

追加記載:

今年2月と3月の無賃乗車検査報告を調査してみた。

今年の結果報告をみると、この2ヶ月間で、地下鉄電車とバス及び路面電車の無賃乗車検査で、無賃乗車が確認されて罰金の支払い請求を受けた者は、4 586人、これは昨年の同時期の検査では 3 174人であり大幅に増加しているが、その理由は県の公共交通局より、無賃乗車増加に対して、民間経営の委託を受けている Connex ABが検査員を増強し検査を厳しくしたことによるものであるが、それでもこの数字は、市民の常識を疑いたくなると検査職員は言っている。

検査で判明していることは、定期券の偽造が増加し、その多くはカラーコピー器を利用して複写し、有効期限の期日を変換して利用している者が増加しているである。しかし、例えば地下鉄駅で改札職員が常に不在の駅は、現在9駅もあり、場所によっては自動改札機のない駅もあり、利用者は片方では無賃乗車をしてくださいと言うように改札職員も配置しないで置きながら、切符のない者を厳しく取り締まるのは、ダブル・モラルだと抗議している利用者も多くいるのは事実である。

    (2004年5月16日 追加記載)
  

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