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社会ニュース( 2008年度 )

 

 

教育の責任は誰にあるのか:

 

スウェーデンでは義務教育以後も大学、学院まで教育費が無料、教育手当て支給がされるなど素晴らしいシステムについて、このホームページにて数回に渡り記載いたしました。その反面こうした素晴らしいシステムの中には、それが逆効果となっている点も多くあります。

例えば外国からの生徒の入学は、文化交流にも貢献するとして、ある大学では積極的に外国からの生徒受け入れを進めてきました。しかし、その結果スウェーデンの学生が入学希望をしても定員数が満席となり、勉強したい学科に入学できず、やむ得なく他の学科に入学をせざるを得なくなった生徒も出て来ました。しかも、スウェーデンの生徒は、外国からの生徒よりも、入学時の成績が良いのにもかかわらず、大学の方針が優先されて外国の生徒が入学し、生徒は入学が出来なかったことが 、生徒の抗議による調査の結果明確になりました。

数人の生徒は裁判所に、大学は不適当な処遇したとして告訴しました。裁判所は生徒の告訴を認め、大学に損害賠償金を生徒に支払うように命令しました。また、外国からの 多くの生徒は修学と同時に自国に帰国し、結果的には無料教育をスウェーデンが提供したのみで、国家にはなんらの利益をもたらすことはない事実が問題となっています。EU加盟国以外の国の生徒には、有料制度の導入をすべきと改善が叫ばれています。

そして最近話題になっているのが、教育の民営化です。

ストックホルム県内のあるコミューンでは、生徒数が減った事を理由に高等学校を閉鎖し校舎を潰しました。その跡地を利用して買い取り制度の高級マンションを建設しています。コミューンの公報によれば、生徒数の激変で経営できなくなったと説明しています。

しかし、知人でもあるコミューンの教育担当者は、現実には生徒数が減ったのが本当の理由ではなく、政治家たちが教育関係諸経費節約をするためと説明してくれました 。
更に地域入学制度の廃止と義務教育の民営化により、必ずしも経費のかかる高等高校をコミューンの地域内に所有する必要はなくな ったことです。 元学校所在位置の校門にある案内板、
地図の左に赤く長く表示されているのが元校舎の位置
つまり生徒が他のコミューンの高校に自由登校すれば、校舎維持費や先生を含む関係職員の経費が大幅に節約となり、同地域内の職業学校も同じ理由で廃校となりました。

また、県内のある中学校では、数年前から生徒による教師や職員への暴力増加、生徒間のいじめが多く発生し、更に昨年には同校生徒による放火があり校舎の一部が焼かれました。ここは外国移民者が多く社会的経済格差が激しく、若者たちの社会福祉問題を多く抱えている地区です。
元校舎跡に建設中の高級アパート 写真撮影: ストック

 

今年に入り、数人の生徒が教師を取り囲んで暴力行為による障害を与え、教師は緊急病院に運ばれる状態まで悪化し、注意した他の職員も暴行を受けました。そのために、教育庁は改善されない場合は、学校運営許可の廃止をも辞さないと警告しました。つまり生徒の暴力や器物破損などが続いたために、改善されない限り学校を閉鎖するというものです。
 

知人と一部の先生は、学期の中間にもかかわらず、この学校に失望し他校に転職しました。ちなみにスウェーデンは教員資格があれば、日本のように県単位の採用試験などはなく、全国どこの学校にも勤務できます。

 

政治家や地域議会職員は、とても残念であると発言、地区の児童課担当者や警察などお互いに責任のなすりあいをするのみで、具体策はなんらとられていません。民主主義による言動の自由化は認められますが、器物破損や暴力行為をしても、厳罰に処せられることもないことを承知している生徒たちは、今後も同じ行為を繰り返していくのみです。

スウェーデンには「子供を折檻してはいけない」という法律があり、学校の先生は暴力振るう生徒の腕を掴み取り押さえたりすると、生徒は家庭に帰り両親に先生が強く腕をつかんで痛かったなどと訴え、それを信用した両親が先生を警察に訴えるなどの問題が多く発生しました。 警察問題になるのを嫌がり、今では先生は生徒が器物破損をしたり、他の生徒に暴力を振るう生徒を、手で阻止することもしなくなりました。つまり生徒のなすままを見ているだけです 。学校によっては、ガードマンを採用している所もあります。

日本とはことなり社会的責任について余り騒ぐこともなく、子供が犯罪を犯すことに対して両親には、養育責任などは問われません。両親も両手を上げ「子供がしたことです」と肩をすくめるのみです。これが本当の民主主義なのでしょうかと疑問を持ちます。誰に生徒たちの教育責任があるのでしょうか 。日本では報道されていない現状です。

 

 

(2008年3月28日 記載  DN.MT.STV. LT)
 

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