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社会ニュース (2007年度記事)

 
スウェーデンの高齢者は幸せか:  その1.

高福祉国家と言われている、スウェーデンの高齢者達は、本当に幸せなのだろうか・・・
この質問はよく受けるし、私自身も一体実情はどうなのだろうかといつも疑問を感じていました。
 
各種の高齢者施設、グループホーム、ディケァーセンター、 ディセンター、そしてガン治療、心臓手術をしても、ほぼ無料にちかい医療など、外部から見る限り素晴らしいの一言に尽きます。しかし、本当に幸せなのかは 、現場を見ない限りわかりません。

日常生活で福祉施設とかかわることが多く、そこに来る家族達との会話を聞くことも多いことから、本当に幸せなのかをいろいろと調べてみました。

インタビューや高齢者との雑談の中から、いろいろな事項を確認していく内に、一般に言われているほど、みんなが幸せではなく、本当に貧しい生活を強いられている高齢者が意外と多いことも知りました。


ディセンターに毎日来ることが出来る高齢者達は、 一部の恵まれた人なのか・・

今回シリーズとして、これらの現情を紹介したいと思います。 最初に高齢者達の年金と生活について紹介します。言うまでもなく、以前貧しかったスウェーデンが、自然資源開発を始め、その豊富な地下資源と森林、そして水に恵まれて、ここまで発展したことは誰もが認めているところです。

社会経済は豊かになり、それから得られる税金で、高福祉社会を築きあげてきました。そして一時は高齢者の定年後の生活は、恵まれた医療設備と、高年金で将来の生活は保障されたと、国民の多くは信じていました。しかし、現実には1990年代の不況に伴い、国の税収入が減少し、政府はその対策の建て直しを余儀なくされ実施しました。

最初の対策は、年金資源の活用であり、絶対に老後の生活保障をし、安全と言われていた国民年金制度の改革です。民営化をすることにより、政府資金の活用は一時的に増加しました。そして100を超える多くの年金保障会社が設立されましたが、結果的に懐を増やして満足しているのは、それら各企業の経営者や社長を含めた幹部職員たちです。

受給年金者である国民は、非常に面倒で理解しにくい、いろいろなシステムになやまされて、本当に自分の年金がどのように活用され、支払いを受けるのかはよく理解していない高齢者がほとんどです。

さらに若いときに結婚し、夫婦で努力して作り上げた一軒家持つ老夫婦には、国税庁が市場価格に対応するためという名目の元に、毎年自動的に上げいく不動産税、家屋税が、年金の少ない高齢者の生活を圧迫しています。数十年前にローンの支払いも終わり、わずかな年金で生活していた高齢者に も、容赦なく高税金負担はかかります。

夫が死亡した後、結婚以後子育てで家庭の主婦として生きて妻には、職業年金はなく、夫の残したわずかな貯金と、自分の最低年金では、家屋税や不動産税の支払いができなくなり、強制的に手放しざるを得なくな るケースも増加してきました。売り払った後、住宅手当を受けてアパート生活をしている高齢者のことは、あまりマスコミにもニュースとして取り上げません。外国諸国に対するイメージダウンになる記事は、どこのマスコミも真剣には取り扱ってはくれませんが、現実に家を追い出さ れていく、独り者の老婦人が多いことも事実です。

その挙句にストックホルム・コミューンのように経費節約から、常駐職員が必要であるサービスハウスを廃止し、多くの職員を退職させ、「+65高齢者住宅 」という名前に変更しました。現実には昨日まで、職員の24時間介護を受けていた高齢者が、ホームヘルパーの介護に変わり住んでいます。

改革の結果、昨日まで食事時にも、コヒータイムの時も、いつも職員がいて、会話の相手をしてくれたのに、今では誰も話し相手をしてくれません。たまに 来ても、冷えた食事をテーブルの上に置いて、「暖めて食べるように・・」と声かけていくのみで、次の訪問先へと帰ってしまいます。今は買い物も一人で行かなくてはなりません。

もちろん、食事の時間や自由時間も介護の時以外は、誰も話し相手はいません。本当に孤独な生活をコミューンの政治家達の節約主義によって、今まで以上に孤独な生活を強制されています。

多くの高齢者は、数ヶ月外出すらしたことはありません。外部との接触は、窓から眺める風景のみとなりました。ホームヘルパーには時間がなくて、誰もゆっくりと高齢者の前に座り、話し相手や相談相手などの応対する時間はありません。何か依頼すれば、すぐに経費がかかるようになりました。

古いアパートに住む老婆は、足腰が弱く、エレベーターもないことから、長い階段を自分の力で玄関まで降りなければならず、散歩にすらでかけることも出来ません。一人静かに部屋の中で、毎日を過ごすのみです。これを幸せな老後生活といえるのでしょうか。

スウェーデンの老人は、あまりにも孤独な生活を強いられています。

   ( 2007年6月11日 記載 )             

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