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Last Update: 2004/05/21



のりこのスウェーデン研修日記 (2004年)

 
5月21日 「人が不安定になる時」

デイケアでの仕事。今日は朝からVera(ビエラ)がとても精神的に不安定な様子。

杖を持って出てくるのを忘れたと言っては泣いている。詳しい様子を職員のイボンヌに聞くと、どうやらいつも送迎に来る運転手が休み、代わりの人が来た男性が勝手に家に上がりこんでいると勘違いをしたらしい。その上彼は、彼女が杖を持っているか確認しなかった為に、余計に混乱を招いたということだった。

今まで長い間運転手を勤めていた男性から、ようやく新しい人に慣れてきたばかりだったので、彼女には、また見知らぬ顔を受け入れることが難しかったようだ。他の人も、彼は誰なのだろうと気にはなっていたらしいが、ビエラほどは混乱していない。

どんな時に、人は精神的に不安定になるか。それは個人によって全く異なる。普段でも、誰かと話をすることが好きな彼女は、今日は特に職員の周りにずっとついていた。職員も私も、少しでも気分転換出来るように話題を変え、ゴミを捨てに行ったり、料理を手伝ってもらったり、「ビエラがいてくれて助かったわ〜」という瞬間を作った。そのせいか、午後には杖の事は気にしなくなり、迎えに来た運転手にも笑顔で話しかけるようになった。

高齢者、特に痴呆症を伴っている人は本当に些細な事がきっかけで不安定な気持ちになりやすいと思う。ある人が「呆けてナンダカ判らなくなっている」と言っているのを聞いたが、それは違うと思う。自分の思いを言葉にするのが難しくなっているだけで、普通の人以上に繊細な心を抱えている。話しかける言葉一つにしてもそれを理解した上で選ばないと、大きく傷つける原因にもなりかねないと思う。



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