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Last Update: 2003/12/12



のりこのスウェーデン研修日記 (2003年)

 
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Lucia(ルシア)祭で近所の3〜5歳くらいの保育園児が、ルシアやサンタの服装で訪問。キャンドルを片手にクリスマスソングを唄ってくれた。とても可愛い。皆の心が穏やかになる瞬間である。子供や動物には本当に理屈のない愛情を感じる。透き通っている心はこちらの気持ちまでニュートラルな状態に戻してくれる。これが「癒し」なのだろうか?

ランチにはジンジャークッキーやサフランパンなども全て手作りし、今日は少し特別なメニューを作る。ジャガイモの皮むきをVera(ヴィエラ)とIrma(イルマ)の2人に任せる。それぞれに剥き方が違うので、お互いに「あなたのは変ね」と言い合いながらもマイペースにやる。その様子をニコニコ見ているのがFrida(フリーダ)。

そしてFridaは今日がここでの最後の日なのだ。今週から送迎バスが一人になったので近いうちかなと思っていたが、今日までだと聞いてとにかくびっくりした。ストックホルムから離れた郊外のグループホームに住むことになったのだ。

昼間に彼女の娘から電話があった。「いろいろと大変だったけど、ハーレンに通えて母は毎日幸せそうでした」と。本人は何も知らされていない。ただ最近いつも良く食べる彼女が少食だった。娘いわく、何かを感じるとそういう行動になる時が多いそうだ。しかし、とても頭が良く、今現在のことを覚えるのは難しくても、自分ですべて出来るし知識はとても豊富。気遣いや面倒見もいい。

日本ではこの程度でグループホームに入れる選択は考えられない。プライベートの事は他人には分からない。何故家族はホームに入れることにしたのだろう。分からないだけに、残念でならない。スタッフに聞くと、ここでのFridaと家庭での彼女は状況が違い、家族が面倒を見るのには限界にきてしまったらしい。それは他人と身内に対する態度の違いが大きかったということなのか?

いろいろ疑問に思いながら彼女を見る。今は隣のKirstin(シャスティーン)に、新聞を読みながら「TIME OUT」英語の意味を例を挙げながら説明している。本当に頭がいい。彼女は私のスウェーデン語の先生でもあった。少しでも間違った発音をすると、必ず横から訂正される。そんな毎日の些細な事でも出来ないと思うと悲しい。

グループホームに行った彼女はどうなるのだろう。ここでの生活と同じように皆の世話を焼きながら元気にいつもの笑顔を振りまいてくれるだろうか。

帰り際に彼女は言った。「私のところにも遊びに来てね」私たちはただびっくりした。

彼女は何かを気づいていたのだろうか。最近、職員にこうも言ったそうだ。「あら、私ここの人なら皆を知っているわ」。。恐らく、いろんな思いが混同しているのだろう。

でも私たちに出来ることは「またね!」といつものように抱き合って見送るのみ。何も言わなくても皆の気持ちがどれだけ切ないか。4年以上も彼女と毎日接してきた職員にとっては、もどかしさで一杯だろうと思う。仕事とプライベートをきっちり分けて考えるスウェーデン人でも、やはりここはやりきれないものを感じるそうだ。

  

ルシア祭イベント 

いつも笑顔のFrida(手前の人)


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