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Last Update: 2003/11/30



のりこのスウェーデン研修日記 (2003年)

 
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今日も朝8時からの仕事。今日はファーストアドベントと言う、クリスマス前最初の大きなイベントの日。スウェーデンでは4本の内(一週間に一本のキャンドルで、毎週日曜日に一本づつ追加される)最初の1本目のキャンドルに火を灯し、ツリーを飾る。ホームでも数人で飾りつけをした。

Ulla(ウッラ)は朝からとてもすごいうんち!でも彼女は調子が良いのかよく笑っている。何を話しているのか分からないがとてもおしゃべり。食事も良くとり、通常通り。夜はまたご主人が来る。一緒に車椅子からベッドへの移動を手伝う。

Greta(グリエッタ)は朝は通常通りに思えたが、朝食後に椅子に座っていても後ろにのけぞるように倒れてくる。再びベッドに移動。少し時間が経つと落ち着いたのか、笑顔が見えるようになるが、だいぶ疲れているらしく、今日も一日部屋で寝てもらった。

先日までの胃腸の具合は改善されているらしい。ここの施設では医師が常勤せずに看護士がいる。ただ、日本の看護士と処置出来る範囲が異なるため、医師の代わりに状態を常に観察してもらえる。

Stina(スティーナ)は昨夜18時からずっと寝たまま、具合が悪いのかと看護士に確認してもらうが、特に異常はなし。寝すぎたためか起きぬけからボーっとした不安定な状態が続く。排泄、朝食後に落ち着く。今日は彼女の娘が訪問。2時間くらい滞在して帰った。ホームに預けた家族の気持ちはどうなのだろうか。自分で面倒を見なくて済むからやはり安心しているのだろうか。

Hjordis(ヨールディス)は昨夜は一晩中寝ていない。自分でベッドにぶつけて腕にあざを作っている。トイレ(スウェーデンの施設ではトイレ、シャワーが同室でかなり広く、そこで着替えなども行える)での着替え時は相変わらず暴力的になる。しかし、今日の一番の出来事はやはり彼女との事だ。

夜にトイレでの着替えをしようと他の職員が連れて行くがまた失敗。私が代わって、彼女を落ち着かせるためにクリスマスツリーの前で会話。そして日本語で歌を歌ってあげると、なんと彼女はぬいぐるみを抱えたまま寝てしまったのだ。彼女の安らぐ顔を見ていて、自分も緊張感が解けたのかつい涙が出る。

音楽療法、ダンス療法。何とか療法。名前なんてどうでもいい。とにかく、今の彼女たちに必要なものを一緒に共有しながら提供しているだけ。方法論などはその瞬間には論ずる余裕はない。自分の経験から判断するのみ。

Ingrid(イングリッド)は時々、自分の居場所などが混乱している。そこで何度も説明しても逆に意固地になるだけ。でも、まだ痴呆が悪化しない時こそがケアを慎重にしなければならないはず。対応の仕方によって変わってしまうこともあるだろう。一番大切な時期かもしれない。

Ragnhild(ランヒルド)との接触は、夜の着替えのみ。女性としてのプライドをしっかり持っているので、彼女の場合は子供のように扱うべきではない。何をするにもきちんと了解を得てからでないとだめ。

誰にも共通することだが、確実に自分よりも人生の先輩であり、多くのことを経験している人なのだから、そこをきちんとわきまえておかないと本当に失礼なことになる。95歳まで頑張って生きてきた彼女らが、どんな思いで今を生きているのか。痴呆は記憶の部分で障害が起きても感情はそのまま残されている。プライドもある。接し方、一つ一つでまるで態度が変わる。もちろん同じ方法で毎回通用するわけでもない。

一人の人を良く知り、そして考える。少人数でのグループだからこそ、可能なことだと思う。これが在宅の場合だと、介護者は他の人を知らない為に、とにかく客観的に物事を考える余裕がなくなる。対人間、相手のはずなのに、対自分の介護になりがちではないだろうか。そして精神的負担も大きくなる。在宅で痴呆高齢者の介護をする場合いでも、他の介護者や家族との交流や、専門的ケアが出来る人のアドバイスが必要だと思うし、本当に施設に入れてしまう、とは違う。「家」と等しい「生活場所」を用意してあげるべきだと思う。

 クリスマスツリーの飾りつけ

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